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『審判』 フランツ・カフカ

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銀行員のヨーゼフ・Kは、ある朝突然逮捕された。だが拘束されることはなく、これまで通り銀行へ仕事に行くことができる。誰にも言わないのに多くの人が興味本位な関心を向けてくる。しかし誰が何の罪で告訴したのか不明のまま。裁判の手続きをとろうにも、裁判所がどこにあるのか、裁判員は誰なのか、全てが雲のように掴むことができず、Kは不安と焦燥感で仕事も手につかなくなるが、右往左往するばかりで時が過ぎ、ついには死刑執行の時を迎える。。。

カフカの不安と不条理の世界が全開で、すっかり嵌って読んでいました。カフカの小説の主人公にKが多いのは自己投影の表れですね。
『絶望名人~』を読んだばかりで思うことは、カフカは自分を天才だと知っていたのです。世間に受ける「売れる小説」を頑として書こうとせずスタイルを守り通した信念は素晴らしいです。友人に原稿を託したのも、いずれ時代が来ることを予見していたのでしょう。
ただ、残念ながら全てカフカが執筆したかというと疑わしい面もあります。ノートに書かれた物語は断片的であり、つじつまが合わない章は後ページにおまけ的にまとめられていますし、だとしたらつじつまが合うように編集されたと予測がつきます。
それでも多くの作家がカフカに影響を受けたように、今でも世界中に多くのファンがいるように、唯一無二の作家であることは間違いありません。
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by ruriwo_m | 2011-12-10 13:31 | 本・映画
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