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『八日目の蝉』 角田光代

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不倫相手の子どもを誘拐し逃亡を繰り返す。外側から見たらそれは罪で、だけどどうしてもこの仮の親子を見逃してほしいと、追っ手が迫るたび、早く逃げて!早く!限られた時間とどこかでわかっているから、二人きりの幸せを願わずにはいられません。
後半は子どもが成人してからの話。子どもにとって事件とは、むしろ事件解決からだった。連れ帰られた家では、母は神経を病み父は無関心を装い、居場所がなく、こうなったのは事件のせいだと全てを恨むことで心の安定を計る毎日だった。しかしやがて再生への道しるべが見えてくる。

角田光代さんの作品は今まで手にとることをためらわれてきた。かってなイメージだけど、女の情念みたいなのが本から漂ってきて、なんとなく好きじゃなかった。この本は犯罪者の気持ちに添うことのできる稀な作品ではないかと思う。
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by ruriwo_m | 2008-03-28 16:07 | 本・映画
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