2011年 11月 28日 ( 1 )

『絶望名人カフカの人生論』 フランツ・カフカ 頭木弘樹 編訳

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「将来に向かって歩くことは、ぼくにはできません。将来に向かってつまずくこと、これはできます。いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」
これが愛する彼女に送ったラブレターの一節なのです。
「ぼくは彼女なしでは生きることができない。しかしぼくは、彼女と共に生きることもできない」
二度婚約し二度婚約破棄。どちらもカフカから申し出たこと...とても面倒くさい人のようです。
目次からでも
「頑張りたくても頑張ることができない」
「人生のわき道にそれていく」
「重いのは責任ではなく、自分自身」
「死なないために生きるむなしさ」
「会社の廊下で、毎日絶望に襲われる」
などなど、あらゆることに絶望しています。
しかし、こうした絶望感こそがカフカの執筆の根源にあるもので、証拠に病気になり雑事から解放されると意欲を失ってしまっていたようです。
この本を読むとわかるように、カフカの絶望は全て自分に向いています。カフカの小説に登場する主人公も、敵対する人も、傍観する人々も、カフカの分身なのですね。
見開きでカフカの名言と解説が書かれていて、とても読みやすいです。カフカ好きは是非。面倒くさいけど、愛すべきカフカを知ることができます。
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by ruriwo_m | 2011-11-28 12:36 | 本・映画